海外フィールドワーク

清永 航平

国際学部 1年生(参加時)

参加プログラム
海外フィールドワーク
国名
ベトナム
派遣先大学名
トゥンマイ大学
参加年度
2022年度春季

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留学の背景

私は大学在学中に、2つの国際ボランティアプログラムに参加したいと考えており、海外フィールドワークが事前推奨科目となっていたため参加を決めました。加えて、このプログラムを通して、現地でのフィールドワークの手法の基礎を学ぶことや異文化に触れることなどをしたいということも考えていました。さらに、海外フィールドワークは派遣前には充実した事前研修があり、派遣時には途上国経験豊富な教授が同行し、現地の大学生がサポートに入るといった初めて途上国に行く際のサポートの基盤がしっかりとしており、途上国でも安心して参加できることも理由の一つです。

プログラムのスケジュール

朝から夕方まで現地の教育機関や日系企業、市場など様々な場所で質問調査をします。質問は現地学生に翻訳を介して行うため、事前の質問内容とその意図の共有は欠かせません。また、自由時間にはカフェや市内散策に行くことも可能で、タイトな日程の中でもメリハリをつけながら活動します。夕食後は、関学生だけで本日の振り返りと日報の記入をし、終わり次第グループごとに調査内容をまとめ、最終日に向けてプレゼンを作成します。

<ある1日のスケジュール>
7:00 朝食
8:00 中学校訪問
9:30 高校訪問
ホテルに戻って昼食
13:30–15:15 小学校訪問
15:15–17:00 日系企業訪問
夕食/本日の振り返り/自由時間

印象的な出来事

 先進的な教育方法の取り組みが印象に残っています。現地では、小学校から大学までの全ての教育機関を訪問する機会がありました。小・中学校では、積極的にICT機器を活用した授業が運用されており、日本とは違い教員がICT機器の使用に難があるという訳ではなく、より効率的でかつ生徒が理解しやすい授業が展開されていたことも驚きました。また、現地で訪れた高校は、理系教育の充実がしており、加えて運動場にはテニスコートや芝生のサッカーコートがあるなど、日本の高校ではなかなか見られない設備の充実さがあったことは日本よりも発展していると感じました。途上国では、教育内容や教育機関が発展していないという事前に持っていた考えは偏見にしか過ぎないと考え直させられた機会となりました。

留学で得た経験

この10日間は、毎日が新たな気づきの日々でした。ベトナムは、教育分野では日本よりも優れており、また都市と地方の格差が激しいことに気づきました。そして、文献やネットの途上国の現状は、実際の様子と全く違うため、自分の目で確かめる必要があると感じました。また、現地学生の通訳で調査をしましたが、通訳を介すと本当に聞きたいことが相手にうまく伝わらず、調査ではとても苦戦しました。しかし、今回の派遣では、ベトナムの人の温かさと現地調査の難しさを知りました。ベトナムの方はどんな時でも私たちの調査に協力的でいろいろな質問に答えてくださいました。調査では、統計をとるために多くの調査を必要とするため、継続的な根気強さが求められると学びました。

アドバイス

このプログラムは、授業以上の深い学びを実践的に体験できます。10日間はとても忙しく、毎日しんどいと思う場面がありますが、一緒に活動する仲間との助け合いで絶対に乗り越えることができますし、最終日のプレゼンが終わった時の達成感は忘れられません。そして、一緒に活動した日本人の仲間やサポートしてくれた現地学生は、最高の友達であり、渡航が終わった今でも遊んだり、連絡を取ったりと深い絆で結ばれています。国際ボランティアを希望する人だけでなく、大学生になって新たに挑戦したい人、自分自身を成長させたい人などにおすすめです。少しの好奇心が大学生活や今後の人生に大きな変化を与えます。多くの学生が海外フィールドワークに参加してくれることを願っています。

柏原 由季

法学部 1年生(参加時)

参加プログラム
海外フィールドワーク
国名
マレーシア
派遣先大学名
トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学(UTAR)
参加年度
2019年度夏季

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留学の背景

私は、将来国際機関で働くことを志しています。そのため、まずはそれまでにつけておくべき異文化適応能力や、実地調査についての知識を得ようと思い、このプログラムに参加しました。また、高校時代に語学研修でフィリピンへ行ったことがあったことも理由の一つです。途上国に行ったのはその時が初めてだったのですが、旅行程度の滞在だったので、旅行とはまた違った踏み込んだ視点から途上国について学んでみたいという思いがあり、参加を決めました。

プログラムのスケジュール

基本的には、日中に調査に行き、夕方帰寮しミーティングを行い、夜はその日の報告書を作るのが一日のスケジュールでした。最終日にプレゼンがあったため、夜にはそれに加えてプレゼン資料を作る人もいました。調査先が毎日異なるため、日中は毎日異なる動きをしていましたが、夜に一日の反省をするミーティングと、報告書を作成するのは毎日の日課でした。以下は実際のある一日です。

8:00 朝食
9:00 パパンへ移動
10:00 パパン・バトゥガジャで実地調査
13:00 バトゥガジャで昼食/引き続き実地調査
14:00 カンパーへ移動
15:00 錫博物館の視察
17:00 帰寮/振り返りミーティング
19:00 夕食/報告書作成・プレゼン準備

印象的な出来事

マレーシアの多様性を重んじる心です。マレーシアは、主にマレー系・中華系・インド系という異なる民族で構成されています。しかし、それぞれがお互いの文化を尊重している場面によく出会いました。実際に、ホームステイ先の中華系の方が、食事に関してムスリムの学生に丁寧に気を遣ってあげていたのを覚えています。ただ一方で、私たちが行ったUTARは中華系の大学であったり、マレー系が通うイスラム教学校が存在していたり、個々の民族・宗教の独立性も感じられました。お互いの文化に寛容であるからこそ、個々の文化が自立して存在しているという二面性が、非常に興味深かったです。

留学で得た経験

このプログラムを通して、二つ大きな学びがありました。①多様性を尊重することの大切さと②自分の目で確かめる必要性です。まず①について、マレーシアでは様々な折で、人々が多様性に理解があることを感じました。そこで日本を顧みると、本当に今の社会は他民族や異文化、ひいては自分と立場が異なる人に寛容なのだろうかと考えさせられました。そしてまずは自分から、マレーシアの気概をお手本に変わっていこうと思いました。次に②についてです。渡航前の事前学習で、調べ学習をしてから行くのですが、そこでの知識と、実際に現地で聞いたこと見たこととでは全く印象が違いました。物事を学ぶ際には、必ずしも知識だけでは十分とは言えず、積極的に学びに出る姿勢が重要なのだと学びました。

アドバイス

私はこのプログラムを通して、遊びで行っていれば、聞けなかったであろう現地の方の生の声や、見逃していたかもしれない光景をたくさん目にしました。更に、意外にもこの機会でマレーシアに加え、日本のことついても大いに考えさせられました。そのためこの10日間は、途上国の実情を知りたい人はもちろん、日本を違った視点から学びたい人たちにとっても、非常に刺激的なものになると思います。昼は調査・夜はレポートと体力勝負の毎日ですが、志の高い仲間と切磋琢磨し、必ず忘れられない思い出になります。少しでも興味がある方は、強く参加をお勧めします!