OB・OGの活躍

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国連ユースボランティアで得た国際的な視野と成長

清澤 風歌きよさわ ふうか
  • 立教大学2022年度観光学部卒
  • 派遣先国:タイ
  • 現所属:駐日ネパール大使館 (渉外・広報担当官)

国連ユースボランティアに参加した理由

以前から国際協力に強い関心があり、専攻していた観光学の中でも持続可能な観光開発や地域エンパワーメントに特に興味を持っていました。開発途上国を訪れ、現地で青年海外協力隊(JOCV)の方々が活動する姿を見て、この分野で働くことへの憧れが一層強まりました。ただ、当時の私にとって国連は非常に遠く大きな存在で、語学力や厳しい選考基準への不安もあり、応募を迷っていたのも事実です。最終的にプログラムに応募する決意を固めたのは、何か崇高な目的があったというよりは、友人からの後押しが大きなきっかけでした。

国連ユースボランティアに参加しての体験談

タイの国連常駐調整官オフィス(RCO)では、21の国連機関が主導する開発プログラムを統括し、国レベルでの意思決定を行っています。私は広報・啓発活動に従事し、国連タイのSNSやウェブサイトの運用、各種イベントのレポート掲載などを担当しました。特に、各専門機関の連携が求められる国連デーや本部が主導するコロナ対策のキャンペーン、さらには国連タイ全体の年次報告書作成に関わることで、情報の統括やローカライズ作業を経験しました。
この活動を通じて、国連がいかにグローバルな組織であるか、また各国政府や開発銀行などのステークホルダーとの間でどれだけ多くの外交的なやりとりが行われているかを実感しました。UNDCOや各国事務所代表者が参加する定例会に出席することで、各組織の専門性や予算の違いを理解し、RCOが担うコーディネーション業務の重要性を認識しました。
活動開始時から大部分をリモートで行ったため、組織文化や業務形態への理解が不足していたこと、そして実際のタスクの遂行方法について常に疑問や不安があったのは事実です。しかし、こうした苦労を通じて、自ら積極的に貢献できる業務を提案し、一つ一つのタスクに責任を持つ姿勢を養うことができました。この経験が成長につながったと実感しています。
ボランティアを終えて2年以上が経過しましたが、つい先日も当時の上司から、私が作成したメディアリストや選定した写真フォルダについて連絡を受けました。地道な事務作業でしたが、現在でも引き継がれて利用されていることを知る、喜ばしい出来事でした。

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UNSDCF調停式にてRCと|タイ外務省

卒業後、国連ユースボランティアの経験がどう生きているか

国連ユースボランティアでの経験を通して、実務スキルや柔軟性、問題解決能力が磨かれ、さらに多様な背景を持つ人々と協働することで貴重なネットワークも築くことができました。特に、大使館での業務に必要な語彙力や外交的な表現力は、この時に習得したものも多く、「Excellency」や「Note Vervale」といった表現も、当初は馴染みがなかったものの、現在では日常的に使う必須の語彙となっています。
また、タイ政府とドナー国が異なる優先事項を持つ場面でのやり取りを間近で見ていた経験は、現在の渉外業務での関係者との情報共有や円滑な連携の参考になっています。
このような経験を基盤に、今後もさらに貢献できるよう一層努力し、自身のキャリアをより充実させていきたいと考えています。

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事務所からの景色

今後の目標

卒業後、ヘブライ大学のMAプログラムに進学が決まっていましたが、現地の状況や家庭の事情により辞退しました。今も進学の意欲はあるものの、プライベートとキャリアの両面を考えるとためらいも感じています。現在は、少しずつ経験を積みながら、自分がどのようなフィールドで社会問題に貢献できるかを模索しています。

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在タイ日本大使館の国連担当のお二人と

参加を考えている方へのメッセージ

学生時代に国際組織を内部から知り、同じ志を持つ多くの職員と繋がることができるこのボランティアは、視野を広げ、大きな成長につながる貴重な経験だと感じています。私自身、タイでの活動を通じて、さまざまな貴重なスキルを身につけ、多様な背景を持つ人々とのネットワークも築くことができました。また、困難な状況に直面した際にも、自ら積極的に提案し、責任を持ってタスクを遂行する姿勢が育まれたことは、私にとって大きな成長の一環です。
この文章を読んでくださっている皆さんの中には、私がかつて感じた迷いや不安を抱えている方もいるかもしれません。しかし、現場での学びや出会い、そして応募に向けた努力がもたらす経験は、将来にとって貴重な価値を与えてくれると信じています。あなたの挑戦を心から応援しています。

UNV Japan 2022 Report


お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。