参加者の声

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大変なことも多くあるが、それ以上に多くの学びや気づきと出会いがある

岡 望美おか のぞみ
  • 立教大学 異文化コミュニケーション学部異文化コミュニケーション学科4年(派遣時)
  • 派遣先国:ラオス人民民主共和国

国連ユースボランティアに参加した理由

入学時から「国連ユースボランティア(以下UNYV)」には興味があり、3年次(2020年度)に申込を検討していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によりプログラムの参加が叶いませんでした。4年次での参加は、就職活動との両立や卒業時期の変更など様々な要因から出願をするか悩みました。しかし、自分が国際協力・開発分野に興味をもったきっかけとなったラオスでのポストが発表されたことをきっかけに出願を決意しました。また国連が開発やSDGsをはじめとした課題にどのように関わっているのかを学び、自分が将来どのような視点や立場から携わることができるかを明らかにしたいと思い、UNYVに参加しようと思いました。
ラオスという繋がりのある国で、今まで経験してきた学生団体やNGOとは異なる立場から国際協力・開発の現場を見てみたいと思ったこと、そしてUNYVとして活動する中で国連という組織を内側の視点から学びたいという目標を持ち、UNYVに参加しました。

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活動中で印象に残っていること

私は、UN Volunteers Lao PDR(以下UNVラオス)に、Support Officerとして派遣されました。UN Volunteers(国連ボランティア計画)は、ボランティアリズムを通じて世界の平和と開発に貢献する国連機関です。そしてUNVラオスは、Country Office(国事務所)で、ラオスをフィールドに活動している機関です。
私はそこで、ラオスにおける「ボランティアリズムの推進」と「ボランティアの動員」という大きく分けて二つの活動に従事していました。「ボランティアリズムの推進」に関わる活動では、国連ボランティアデーのイベント運営や国連ボランティアの体験談執筆、SNS広報などに携わりました。「ボランティアの動員」に関わる活動では、UN Lao PDRに所属する全ての国連ボランティアたちのマネジメントや、新しい国連ボランティアのリクルートメントなどに携わりました。

それらの活動の中で、国際ボランティアデーのイベント運営サポートと、新しいUN Volunteerの受入れのためのリクルートメントのサポートが印象に残っています。
国際ボランティアデーのイベントは、UNVにとって一年で一番大きな行事で、UNVが主体になって実施しています。UNVラオスでは、12月4日にイベントを実施しました。私はパートナーとの調整や広報などの面から準備に取り組みました。5ヶ月間で一番忙しく大変でしたが、当日イベントの様子を見て達成感とやりがいを実感することができます。
またリクルートメントでは、面接前後の準備だけでなく、実際に面接官としてインタビューに参加する機会もあったことから印象に残っています。インタビュー後のミーティングで、各国連機関や各DOA(Description of Assignment)によってどのような人材が求められているか、どのようなスキルを重要視しているかといった点を学ぶことができました。ついこの間までは面接を受ける立場にいた自分が、最終的に面接官の立場にいた時は不思議な感覚になったと同時に、とてもやりがいを感じました。

UNYVの活動を通じ、国連という組織で働くとはどういうことかを学ぶことができました。国際協力分野の最前線ではあるものの、草の根活動等を行う現場とは少し距離感のある独特な立場です。国連で働く多くのスタッフが、専門性と現場経験を兼ね備えているからこそ、現場との距離が多少あったとしてもプロジェクトを進めることができるということを学びました。

もう一つ学んだことは、国際協力のあり方やアプローチの仕方は多種多様だということです。日本にいると、国際協力の分野の仕事は、国連をはじめとする国際機関やコンサルタント、NGOなどに注目してしまいますが、途上国で生活する中、多くの国内外の民間企業がSDGsに関連した事業の展開や雇用・ビジネスを通じた開発などを行っているところを目にし、広義での国際協力・開発を理解することができました。また個人で活動する多くの日本人の方々からお話を伺う中でも、活動の幅の広さを実感しました。どの立場も、それぞれ得意な分野や仕事があり、この先自分がどこういった視点から携わっていきたいかをじっくりと考える機会になりました。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

私は今回の参加を通じて、セルフマネジメント力が成長したと感じています。よくある海外大学等への留学とは異なり、フルタイムで活動しながら、途上国での生活に適応する必要があり、様々な面でマネジメント能力が求められます。UNVラオスの一員として、様々な活動に並行して取り組まなければならないことや、私たち学生はメールや郵送物の送り方やパートナーへの挨拶などといった社会人としての基本も学ばなければなりません。上司は常に忙しくしていたので、メールや記事の書き方は、他のスタッフのいい書き方を見て取り入れたりするなど、自分なりに学び試してみたりしていました。学生という枠を超え、初めて一社会人と同様に活動に取り組みながら途上国での生活に適応するのはとても大変でしたが、このUNYVを通じ、仕事への理解や自分のキャパシティの把握、途上国生活の適応など多面的なセルフマネジメント力を学ぶことができたと思います。

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参加を考えている方へのメッセージ

私は今回の派遣期間中、多くの国連スタッフや現地で活動する日本人の方々にお話を伺う中で、国連でのキャリア形成にも本当に多様なルートがあること、そして国連以外の立場や組織で国際協力・開発分野で活動する方法を知ることができました。国連という組織だけが世界の課題に取り組むのではなく、持続可能な社会を目指すには多種多様な視点から包括的に取り組まなければなりません。私は今回の経験を活かし、今後自分が所属する予定の企業を通じてSDGsや開発分野に貢献したいと思っています。

UNYVは、国連で働きたい人や明確なキャリア目標が定まっていない人でも、チャレンジし多くの学びや発見を得られる貴重な機会です。現地での生活や慣れない活動内容など、大変なことも多くありますが、それ以上に多くの学びや気づき、出会いがあります。開発途上国で、国際協力の現場で、多様性あふれるオフィスで、さまざまな人たちと関わる中でぜひ視野を広げてきてください。
また英語力の面で不安を抱えている人もいると思いますが、基本的なコミュニケーションができれば問題ありません。あとは自身の学ぶ姿勢やコミュニケーションを取ろうとする姿勢があれば、英語力は自ずと着いてきます。参加前までに取り組めることを挙げるとすれば、会話や学習等、「英語で」何かをすることに慣れておくことだと思います。
より多くの学生がUNYVに挑戦し、現地で活躍する姿を見ることができるのを楽しみにしています。

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お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
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  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。