参加者の声

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その時できることを自分で見つけてするという姿勢

清澤 風歌きよさわ ふうか
  • 立教大学 観光学部観光学科4年(派遣時)
  • 派遣先国:タイ

国連ユースボランティアに参加した理由

以前から国際協力という分野には関心があり、大学で専攻している観光学でも観光開発の持続可能性やコミュニティのエンパワーメントについて扱う講義には積極的に参加していました。講義だけではなく、それまでの大学生活で様々な地域に旅行して現地の暮らしを体験していたり、渡航先で青年海外協力隊の仕事を身近に感じていたりしていたのがこの分野への思いを高める要因になっていたと思います。
このプログラムに応募する直接的なきっかけとなったのは、友人からの後押しだったように思います。その時がちょうど大学への応募期間だったので、急いで書類やエッセイを書いて提出したのを覚えています。

関心があるとはいえ、当時国連を身近に感じたことはありませんでした。そのため、「自分自身が1人の当事者として高い目的意識をもちながら活動に取り組むこと、多くを学び吸収すること」を目標に参加しました。

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活動中で印象に残っていること

タイの国連常駐調整官オフィス(UNRCO) は、タイにある21の国連機関が主導する開発プログラムを統括し、関係機関との調整や国レベルでの開発分野における国連システムの意思決定 をおこなっています。バンコクに本部を置くアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP) とは密に連携しながら活動にあたっています。
私はコミュニケーションズアシスタントとして、上司と共に広報・啓発活動に従事しました。活動中はUNRCOが管理する国連タイのSNSとウェブサイトを運用しており、常駐調整官(RC)が出席する会議やイベントのレポート掲載、各国連組織が発信するタイに関わるニュースやプレスリリースの拡散を日常的に行っていました。この他、国連デーや国際女性デーといった組織を横断して実施されるグローバルキャンペーンや刊行物がある際には、情報を統括したりローカライズさせたりする作業にも携わりました。

任期開始後4ヶ月近くを日本からリモートで活動していたので、現地渡航後にフィールドビジットに同行させていただいたり、他のUNVとのミートアップを企画したり、人と直接会うことができた活動は概して印象に残っています。
特に、21の国連諸機関からなるタイ国連国別チームとタイ政府による国連持続可能な開発協力枠組み(UNSDCF)の調印式 は初めて国連スタッフと対面できた場でした。入場者の制限をおこなっていたので限られた人にしか会うことはできませんでしたが、広報活動に携わるにあたり、連日活動をフォローしていた各組織の駐在代表の方達と同じ場にいるというのは感慨深かったです。また、任期を通してこの枠組みの作成過程や調印式開催に伴う会議に同席し、いかに多くの関係者が時間をかけて作っていくのかを実感していたので、実際に完成して公にされる瞬間に立ち会えたという意味でも印象に残っています。

活動を通して、国連がいかにグローバルな組織であるか身をもって実感したと同時に、日々どれだけ多くの関係者と外交的なやりとりが行われているのかを学びました。例えば前者であれば、世界各地で様々な分野の専門家が働いているという多様性から、後者は異なる優先事項を持つ各国政府や開発銀行とのミーティングに同席することで感じました。どの組織や団体もそれぞれ違った専門性や予算をもっているので、RCOが担うコーディネーション業務はインパクトを高め調整の取れた対応をするためにとても重要であると感じました。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

活動開始時は右も左もわからない状態だったので、何をしたらいいのか分からない、誰に何を聞いたらいいのかも分からないという状況でした。広報素材をつくるというタスクがあったとしても、予算申請の手順、ドキュメントがどこにあって誰に提出するのか、予算の妥当性の証明の方法など1から10まで聞かなければ何も進められず、自分がこなせるタスクの幅やスピードに対して気後れしていました。
しかし、このような苦労があったからこそ、メールを待つ間に普段国連で使われるような文章構成の仕方や写真素材を勉強してストックしたり、効率化につながるようにソーシャルメディアのアカウントリストを作ったりといったその時できることを自分で見つけてするという姿勢が成長したと思います。

まだ進路は決まっていませんが、私は今後大学院でコミュニティベースドツーリズム(CBT)や持続可能な観光のマネジメントについて勉強したいと思っています。RCOでは国レベルでの政策やプロジェクトについて扱うことが多かったのですが、そこで学んだ気候変動のようなグローバルな課題に対するアプローチや、どのように市民や他のステークホルダーをまきこみ取り組んでいくのかという視点は今後観光をまなざす上で自分の視野を広げる重要な観点になったと思っています。

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参加を考えている方へのメッセージ

ホスト機関とのインタビューでは、大学生でありながら様々な分野の経験をしていること、質問の意図を汲み取って返答をしていることなどを評価していただきました。自分の語学力、専攻分野との齟齬、選考にかかる時間、コロナの状況など応募を躊躇う不安な要素もたくさんありましたが、たくさんの方にサポートしていただいたおかげで無事活動を終えることができました。学部生でありながら専門的な知識をもつスタッフとともに活動できるとても貴重な機会だと思うので、迷っている方にも是非挑戦してほしいです。
私も、今後も柔軟性や行動力を活かして自分ができるボランティア活動を続けていきたいと思っています。

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©UNNicolas Axelrod


お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。