参加者の声

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人生をより豊かにした5か月間

吉田 優美華よしだ ゆみか
  • 関西学院大学 総合政策学部3年(派遣時)
  • 派遣先国:キルギス

国連ユースボランティアに参加した理由

国際社会や世界規模の課題に興味を持ったことに明確なタイミングはありませんでした。しかし、幼い頃からの読書や高校時代に行われた模擬国連や課題探求の時間、初めて訪れた海外の地での経験などを通して、必然的に国際問題に関わりたいという思いが育まれました。そこから、社会課題を解決に導く過程で多角的な視点で物事を見つめる力を養いたいと思い総合政策学部のある関西学院大学を選びました。

入学後、様々な留学プログラムの中から国連ユースボランティアへの挑戦を決めたのは、総合政策学部で学ぶ中で、他のどの機関にも依存せず中立性を保つという国連の立場や考えに魅力を感じたからです。また、幼いころから「人間が生きる上で必要な“食”の大切さ」と「その“食”を満足に得られない人がいる世界」に対して疑問を感じており、解決のためのシステムを学びたいと思いFAO(国連食糧農業機関)を選びました。

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活動中で印象に残っていること

毎日が色濃く1つに選ぶことは難しく感じていますが、世界食糧デーに関する各種イベントに同行できたことは私の中ですごく大きな経験となっています。世界食糧デーはFAOが設立された日でもあり、世界的に食糧問題について考える大切な日と定められています。今年はキルギス南部のオシュ地域でイベントが開催され、国際機関や政府関係者、農家、一般市民など様々な人たちが集い、私も同行させていただくことができました。キルギスの食糧問題について深められただけでなく、所長や上司のイベント時の行動や話し方、働き方についても学ぶことができました。FAOとWFP(国連世界食糧計画)から代表で参加していた方々は海外出身の国連職員であり、キルギスで母語とされているロシア語を話しません。スピーチは全て通訳を介して行われました。通訳が席を外している瞬間でもイベントを通して終始子どもから大人まで多くの人に囲まれる彼らを通じて、国連職員に求められる「人としての魅力」を強く感じました。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

キルギスでの留学全体を通して最も苦労したことはロシア語の環境下での生活です。「多少の英語は通じるだろう」と思い現地に到着したその瞬間、英語とは無縁と言ってもいいほどの世界でした。空港の看板に書かれたコロナに関する注意事項すら読めず戸惑ったことを今でも覚えています。活動は英語での契約でしたが、町中で予想以上に英語が通じない不安からすぐに簡単な挨拶表現と文字を覚えました。その後は周囲の人の助けを借りつつ少しずつキルギスでの生活を築くことができました。言語を習得するまでには全く至りませんでしたが、最終週のミーティングで上司達の会話が理解できた瞬間があり、5か月間での自分の成長を感じました。また、帰国前には仲良くなった同じアパートに住む子ども達から絵のお手紙をもらったり、博物館で職員の人と意思疎通をしたりと楽しく過ごすこともできました。

生活だけでなく活動中も大変なことはありました。大学生のボランティアが居なくても全てのプロジェクトや活動が回っていることが前提の社会の中で「自分にできること」を見つけ、行動することは簡単ではなかったです。ただ、私自身「どれだけ自分で行動を起こせるか」が国連ユースボランティアの鍵だと考えていたので、思うようなタスクをいただけないことや成果が出ないことに関して、落ち込むことは全くありませんでした。むしろ「これを乗り越えたら一歩進んだ自分になれる」と思うとワクワクするほどでした。信頼関係を築くことに近道はなく、毎日の連絡や与えられるタスクを丁寧に行う中で徐々にやりがいのある活動ができたように感じます。

これらの経験を通して、できないことがあったとしても強い意志と忍耐力があれば必ず自分自身の成長に繋げられることを実感しました。

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参加を考えている方へのメッセージ

5か月間の派遣を終えた私が伝えたいことは「自分が本気になって挑んだことは失敗すらも成功になる」ということです。自分から行動することが求められる国連の中では、仕事を得ることも簡単ではありませんでした。しかし、「今日がダメなら明日」とめげずに行動を起こし続ける中で最終的には責任あるタスクをいただくことができました。その行動の中には客観的に見ると失敗したものも多くありました。しかし、振り返ってみると成功や失敗に関係なく、その全てが今の私を彩るかけらになっていると感じています。加えて、活動のことだけで悩めるのは周りの人のサポートがあってこそだと思います。相談する人や助けてくれる人の多い大学生の間に成長できる場所で何か挑戦をしてみませんか?

今、ボランティアを志す皆さんも難にぶつかる時があると思います。その時に、どんなことでもいいので何か行動してほしいと思います。本気になって起こした行動は、必ず皆さんの人生の糧になると信じています。

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お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。