参加者の声

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人生の転機となった5か月間

阿部 弥生あべ やよい
  • 明治大学国際日本学部3年(派遣時)
  • 派遣先国:ネパール

国連ユースボランティアに参加した理由

大学1年の時に、普通の留学とは違う形で海外経験を積みたいと思い調べていた際に見つけたのが、国連ユースボランティアのプログラムでした。しかし当時は、自分にはレベルが高すぎると思い参加を見送っていました。しかし、大学2年の時に受講していた、アフリカを通して途上国開発について学ぶ授業の中で見た、とあるニュースをきっかけに国際協力に関心を持ち始めるようになりました。そのニュースというのは、アフリカで電子廃棄物が焼却施設も何もない場所で処理されており、それにより発生する有害ガスが人体に影響を及ぼしていることを報道していたものでした。そのニュースを見た後、授業担当の先生から「これを見てどう思うか」と質問が投げかけられ、私は、途上国は焼却施設を建てる能力がないため仕方ないことだ、と考えました。しかし、その現状の背景にあったのは、先進国が中古の電子製品を途上国に売りつけ、最終的な処理を途上国にやらせることで、先進国側に使えなくなった電子製品を処理するために必要な費用をかけないようにする、といった問題があることを知りショックを受け、同時に、これまで支援がなくならない理由は、途上国に力がないからなのではなく、途上国が発展する機会を先進国が奪っているからなのではないかと疑問に思うようになりました。そこで、途上国開発を最前線で行っている国連の一員として活動をすることで、「本当の支援とは何か」の答えを見つけ出したいと強く思い、最終的にプログラムへの参加を志しました。

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活動中で印象に残っていること

人脈の広がりとその影響力について特に印象に残っています。例えば、渡航前はネパール人国連職員の方とやり取りをしていたのですが、その方から日本人国連職員の方を1人紹介していただき、その方経由で日本人国連職員が集まるSNSグループに入れてもらいました。そしてその中に、私が所属をしたWFPに勤めている方が1人いらっしゃったので、個別でWFPのことについて話を聞きに行っていました。そこで、そのWFPの方が日本大使館の方々と仲が良く、食事会を通じてお会いする機会を設けてくださり、仲良くなりました。そして、次はその大使館の方々を通じて、JICAや民間企業で勤められている方々と繋がることができ、コミュニティがあっという間に広がっていきました。また、大使館の方々とのご縁により、途中から日本大使館とのやり取りを仕事の中で任せていただけたり、WFP所長の大使館での大使表敬に同行させていただけたりと、人脈が仕事に繋がったこともあったので、人脈の影響力を強く実感しました。そして私自身も、例えば、知り合いだったUNCDFの方からWFPとコラボをしたいと声をかけられた際、責任を持ってWFPの担当者に繋げたりと、人脈を広げるお手伝いができるなら積極的に動こうと努めました。帰国後も、将来のキャリアについて快く相談に乗ってくださる方が大勢いらっしゃり、周りの方々の助けがあってこその今の生活だと実感するのと同時に、私自身も今後、困っている人がいたら、ネパールで出会った方々から受けた優しさを、同じようにその人に返したいと思っています。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

私は何に対しても完璧主義だったので、自分の思うようにいかなかった時に、再度自分を立て直すレジリエンス力が不足していたことが苦労したことの1つでした。例えば、渡航前の準備の際、失敗がないように綿密に計画を練っていたのですが、ネパール側からコンスタントに連絡が返ってこず、渡航4日前に渡航延期の連絡を受けたりと、計画が狂ってしまう場面が多々あり、その際に計画通りにいかない不安からイライラしてしまうことがありました。しかし、実際にネパールに渡航した後、時刻表がないバスや、道路が整備されていないために起こるひどい渋滞といった現状を目の当たりにしたことで、そういった状況下では物事も時間通りに動かないだろうし、「何でも予定通りに動く」という概念は日本では常識だけれども、この国では常識ではないということに気づきました。また、ネパールには100以上の民族が生活しており、それぞれが持つ言語や文化は違うものの、お互いの価値観を認め合いながら寛容に生活をしている姿を見て、私の求める完璧とは何に対する完璧だったのかと疑問に思うようになり、それからは、周りに自分の価値観を押し付けるのではなく、思い通りにいかないなら次どのような対応を取ればよいかを、周りの環境に合わせながら立て直していこうと考えるように心がけました。結果、失敗をしても長く引きずることはなくなり、その代わりレジリエンス力がついたことで失敗をしてもすぐに対応を考えられるように癖がつき、失敗の度合いも小さくなったかなと思います。

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参加を考えている方へのメッセージ

国連で働くには、大学院を卒業して数年間の職務経験を積むことが求められるので、一般的に学部生として国連で働くという機会はまずないと思います。なので、このプログラムに参加をすることは、特に将来国際機関で働きたいと思っている方にとって、非常に大きなアドバンテージになるのではないかと思います。また、普通の留学とは異なり、海外で「働く」ことになりますので、目上の人に対するマナーや、自分のことを信頼してもらい仕事を任せてもらうにはどうすればよいのか、といった仕事ならではのスキルも求められてきます。非常に貴重な体験ですので、ぜひ参加を検討されている方はこの機会を逃さないでいただきたいです。また、中には派遣時期と就活などとの兼ね合いで参加をためらっている方もいらっしゃると思います。しかし、渡航前などにしっかりと準備を行えば帰国後も十分に対応できますし、むしろ私はこのプログラムに参加したことで、将来は国際協力に携わる仕事がしたいと思うようになり、そのためどのタイミングで大学院に行くのか、ファーストキャリアとしてどんな企業を選べばいいのか、といったように具体的に自分の将来について考えながら就活を終えることができたので、大学3年後期という時期にこのプログラムに参加したことは全く後悔していません。時間は有限ですので、ぜひ色々な人のお話を聞いて、自分の今後の生活について考えてみてください。その有限な時間の一部に、国連ユースボランティアとしての活動という選択肢を組み込んでいただけるようでしたら、非常に嬉しいです。

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お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。