1つに決めきれないほど、印象に残っている出来事で溢れています。私は主に、若者自身がファシリテーターとなりSDGsの様々なトピックでワークショップを開催するMoversというプログラムを主に担当しています。
その中でも、12月の上旬、それまで学んだことを元に考えて自分が提案したオンラインサミットの企画が採用されたことが、UNV生活がさらに実りあるものになる大きな転換点でした。自分のオフィスにとどまらず、アジア太平洋のいろんな国の若者や、カントリーオフィスのUN職員の方など、UN内外の様々な人と協力して企画をマネジメントする貴重な経験に繋げることができたからです。いろんな国の若者が、文化やバックグラウンドは違えど、SDGsという共通言語のもと団結して、ソーシャルインパクトを作り出していく。私をエンパワーメントしてくれたUNDPの動画を見た時から頭で思い描いていたものを、まさに体現することができた期間でした。この企画をサポートしてくれる方とのミーティングの中で、もっと良いものにするための新たなアイデアが生まれたり、「素敵な機会を作ってくれてありがとう」と沢山の声を頂いたりと、時間的にも内容的にもチャレンジングな中でも、日々やりがいを噛み締めながら頑張ることができました。
最初の頃は、正直不安な気持ちを抱え毎日オフィスに足を運んでいました。しかし、自分の力でチャンスを作り出したこと、それによって沢山のつながりが生まれたこと、企画運営を通して繋がりの輪を広げることができたことが自信にもつながり、この環境で働けていることの喜びを感じながら堂々とオフィスに通うことができるようになったのも、大きな変化でした。
苦労や困難には毎日のように直面していました。その中でも特に苦労したことは、ワークショップの開催中にハプニングがたくさん起こることです。上記したように、私はMoversというプログラムでファシリテーターを務めていました。基本的に、4-5人のファシリテーターでチームになり準備や当日の2時間のワークショップを進行させます。国によってはインターネットの回線が不安定で、当日担当のファシリテーターが参加できなかったり、途中でzoom上からいなくなったりすることも多々発生しました。また、日本人同士だと絶対にないようなポイントで衝突が起こることもありました。最初は戸惑いましたが、これは問題解決能力とリーダーシップを磨くチャンスだと積極的に捉え、常にベストな解決策を考え続けました。Moversにはリーダーシップが学べるモジュールがあるので、学んだことを実際に自分のシチュエーションでアウトプットするように務めたことも、自分の成長に繋げることができたと考えています。例えば、ファシリテーターに問題が起こってもワークショップが問題なく継続できるようなリスクヘッジや、衝突の原因を分析して妥協点を見出すなどの措置を取ることで、誰でも安心して参加できる場づくりに努めました。
ここまで読んでくださって、UNYVに興味を持っている皆さんは、きっと国際問題やSDGsに対して真摯に向き合って、努力している方だと思います。私がそうであったように、だからこそ悩みや不安も沢山抱えていると思います。私はUNYVの5ヶ月間で、その人にしかない語れないユニークなストーリーを持っている国連職員の方に沢山出会いました。難民から国連職員になった人や、盲目の障害を乗り越えて国連職員になった人など、計り知れない困難にぶつかりながらも、自分の力でチャンスを掴み取った方ばかりです。心からかっこいいと思っています。国連職員という肩書きだからかっこいいのではなく、その人自身の強さで困難を乗り越えて、その上で国連職員として強い思いを持って働かれているからこそかっこいいと思います。皆さんも、今抱えている悩みや壁を乗り越えた先に、皆さんしか語れない5ヶ月間を描くことができると思います。また、それは皆さん個人の成長のみならず、日本の若者社会にも必要なことだと言えます。理由は、日本の若者は他国に比べて国連との距離が遠いからです。国連が若者に対して提供しているプログラムやイベントに、日本人がいないことがほとんどです。日本人が、アジア太平洋の若者の対話の中にもっと参画するためにも、やる気のある皆さんの勇気ある挑戦がとても重要です。皆さんの挑戦を心から応援しています。