参加者の声

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これからの人生へのキックスタート

八木 颯斗やぎ はやと
  • 明治大学 国際日本学部 4年(派遣時)
  • 派遣先国:ネパール

国連ユースボランティアに参加した理由

 国連に興味があったこと、大きな枠組みの中での国際協力をしたかったことから、このプログラムへの参加を決めました。
 私が初めて国連に興味を持ったのは、高校生の時に経験した国内模擬国連でした。漠然と世界の事情や英語に興味があった私は、自身の高校が主催だったことをきっかけに参加することにしました。そこで、様々なバックグラウンドを持つ世界の国同士が、時には激しい議論も交わしながら国際問題の解決策を探るというダイナミックさに面白さを感じました。当時の私には、実際に国連で活動するということは遠い存在でしたが、大学に入りこのプログラムを見つけた際には、一気に現実味が湧きました。
 そして、大きな枠組みの中での国際協力をしたいと感じたきっかけは、「3年生終了時に大学を休学し、ケニアの機会格差是正に取り組むNGOでインターンシップをした経験」です。貧困地域でホームステイをしながら、地元での機会格差の是正方法について考えました。そのNGOでの活動を通して、現場で起こっている問題の多くは、国の制度や政策などの高い次元での決定の影響が大きいことを知りました。そこで、より大きな枠組みで貧困削減や機会格差是正に影響を与えている組織を見てみたいと思い、このプログラムへの参加を決めました。
 大学4年次の渡航ということで、準備中は就活などと重なり苦労したこともありましたが、今ではこのタイミングで参加することができてとても満足しています。


参加するにあたりどのような準備をしたか

 現地での活動をより円滑に進めるために、英語と国連についての勉強に力を入れました。
 準備前の英語力については、留学を経験していたため日常会話はできるが、慣れていない話題になると言葉に詰まるというような状態でした。実際に国連で活動する際は、日常では使われないような難しい単語を使いやりとりする必要があるため、全体的な英語のレベルを上げる必要がありました。具体的には、英検1級の単語帳を使ったり、毎日英語の新聞記事を1つ読んだりしました。また、円滑なコミュニケーションができるようになることを特に重視していたので、リスニングとスピーキングには時間をかけて取り組みました。言語交換アプリなどを使って日本にいる時も英語を話す機会を作り、自分の考えをスラスラと言葉にできるよう心がけました。
 国連の勉強について。国連についてはほとんど何も知らなかったので、活動を前に基本事項について勉強する必要がありました。私たちがよく目にする国連は、ニューヨーク本部での国連総会などの各国首脳が大きな会議場で話し合っている場面かと思いますが、実際にその下にはたくさんの分野ごとの機関が存在しています。そこで、様々な側面で活動を行っている国連の組織図から、私が関わる機関の役割などについて調べました。国連の全体像が見えていると、自分の活動がどのように還元されていくのかを理解することができるので、非常に重要だと感じました。


活動中で印象に残っていること

 上司が手厚くサポートしてくれたことはとても印象に残っています。
 私はある気候変動プロジェクトの開始前段階に関わっていたのですが、関わる政府間の意見のすれ違いにより、予定通りに進みませんでした。そのため、私の活動中にプロジェクトが始まることはなく、現場を見に行くことも叶いませんでした。がっかりしていた私を見た上司は、私に一般的なプロジェクト全体の流れについて理解させるために、代わりの様々な機会を用意してくれました。他の気候変動に関する会議を探してきてくれたり、政策レベルでの動きを見せるためにネパールの政府機関で働く方を紹介してくれたりしました。そのおかげで、5ヶ月という期間でも、プロジェクトの流れについての理解を深めることができました。
 また、上司は私の社会人としての成長も考えて接してくれました。技術的な面でいえば、メールを書く際の注意事項や、プレゼンテーションの効果的な伝え方、会議での立ち回り方などを教えてもらいました。それ以外では、月に1度ミーティングを開き、私の活動の進捗状況やこれからのタスク、目標について詳細に話し合う機会を与えてくれました。そして、活動を通して興味を持った事柄は積極的に調べることを勧め、それらに詳しい知り合いの紹介もしてもらいました。
 上司からプロジェクトや社会人としての振る舞い方について教わったことは、これから社会に出る私にとってとても貴重な経験でした。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

私が苦労したことは、業務への慣れと会議です。業務において、活動を開始した直後は何をどうすれば良いのか分かりませんでした。組織にも慣れておらず、上司や同僚を持った経験もなかったので、まずは業務や活動全体の流れを理解する必要がありました。そこで、初めの数週間はインプットに時間を割きました。国連のオンラインコースやインターネットを使って組織から私の関わるプログラムまで調べ直し、振られた業務を自分なりにやってみることにしました。その上で、上司にフィードバックをもらっていくと、だんだんとやり方も分かってきました。
 会議は最後まで苦労しました。英語能力の問題もそうですが、それ以上に専門用語が多く、話についていくのが大変でした。国連外の会議では、参加している組織への理解も浅いので、特に苦労したのを覚えています。しかしそこから、会議において大事なのは、準備を万全にして臨むことだと学びました。会議の目的、参加者、議題、理想的な終わり方などの詳細まで調べて挑んだ会議は、比較的スムーズに終えることができたからです。また、国連ボランティア同士の集まりもあり、そこではボランティアや学生ならではの活動の悩みを共有することができました。私以外にも同じような悩みや不安を持つ人がいると知ることで心に余裕ができましたし、彼らと共に私ももっと頑張ろうとも思いました。

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参加を考えている方へのメッセージ

 私は学生のうちに国連で活動できたことで、自分の将来の働き方に幅ができました。様々な分野に関わる国連では、年齢もバックグラウンドも多様な人が一緒に働いています。それぞれの職員の経歴や関わる分野の話を聞くことは、今まで単一的だった私の将来に対する考え方を豊かにしてくれました。また、国連で働く日本の方々や、世界各国からの似た興味関心を持つ学生たちとも交流ができたことで、国連で活動することを身近に感じられ、活動の上での大きなモチベーションにも繋がりました。
 また、UNYVという学ぶ立場にいたからこそ得たことも大きいです。私の上司や同僚は、私が困っている時にはアドバイスをくれ、また私のためになると思った会議やフィールドワークを見つけた際には同行させてくれました。常に私の成長を考えてくれる人がいたことは、UNYVでしか得られないことだと感じました。
 国連には興味があるけれど、自分にできるのだろうかと不安に思っている方もいらっしゃると思います。私も1人の学生のできることの少なさに、同じような心配を抱いていました。しかし、学生のうちに国連で活動し、リスクを恐れずに挑戦、失敗して、そこから何かを学ぶことができるという機会はとても貴重です。私もこのプログラムを通して大きく成長することができ、これから社会人となるにあたっての自信も生まれました。迷っている方がいらっしゃるのであれば、挑戦することをお勧めします!


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お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。