参加者の声

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未来を切り拓く挑戦、国連ユースボランティア

亀井 万里羽 かめい まりは
  • 関西学院大学法学部法律学科3年(派遣時)
  • 派遣先国:ラオス

国連ユースボランティアに参加した理由

高校時代に関西学院大学の世界市民明石塾に参加し、国連機関での国際協力に憧れを抱いたことが、国連ユースボランティアを目指すきっかけとなりました。
メキシコと日本にルーツを持つ私は、異文化理解や外国人の人権保護に強い関心を持ち、人権問題の解決には法律の知識やリーガルマインドを身に付けることが不可欠だと考え、法を学んでいます。また、副専攻の国連外交プログラムを通じて、国際協力の視点も深めています。
また、日本語ボランティアをはじめ、インドのマザーテレサ孤児院や盲学校での障害者支援、UNDPモジュールの翻訳など、国内外で多様なボランティア活動にも積極的に取り組む姿勢を心掛けてきました。これらの経験を通じて、国籍や背景を問わず、誰もが社会に貢献できる「ボランティアリズム」の重要性を実感しました。
私は単なる参加者としてではなく、持続可能な形でボランティアを推進し、国際協力に貢献したいと考えています。そのため、ボランティアリズムを通じて世界の平和と開発に貢献するUNV(国連ボランティア計画)に国連ボランティアとして参加し、グローバルな課題解決に貢献することを目指し、応募を決意しました。

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参加するにあたりどのような準備をしたか

参加を決意した後、まず自身の経歴やCompetencyを整理し、補うべき点を明確にしました。選考までの期間を活用し、弱点を克服しながら志望理由を言語化。CVやMotivation Statementの作成、面接練習を重ねることで、自分の考えを的確に伝えられるよう努めました。この過程は、将来のキャリアを考える上でも貴重な経験となりました。
次に、ビジネス英語の向上に取り組みました。フォーマルな英語の使用経験が少なかったため、大学言語教育センター開講のビジネス英語の少人数演習授業を受講し、メールや議事録作成のスキルを習得。派遣後は実践を通じて、国連のスタイルに適応しました。
また、国連や国際協力に関する知識を深めるため、副専攻プログラムの学習内容を振り返るとともに、UN Newsを活用して最新の国際情勢を把握。記事の読解だけでなく、ポッドキャスト機能も活用し、リスニング力を鍛えました。
最も大切だと感じたのは、ボランティア活動や学びを「選考対策」としてではなく、純粋に関心のある分野として追求し続けることです。その積み重ねが最良の準備となり、今回の派遣も、自分の経験や関心と合致したポストとのご縁によって実現したと考えています。

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活動中で印象に残っていること

特に印象的だったのは、英語を使用言語としないCommunity Volunteer(ラオス農村地域で採用されるラオス出身の国連ボランティア)の着任サポートです。通常、国連ボランティアは自身で手続きを行いますが、UNVが提供する情報の公式言語が英語・スペイン語・フランス語のみのため、私が所属するUNV Field Unitが必要に応じて彼らを現地語で支援する必要がありました。今年度は8名が同時着任し、私はIDカードや戸籍謄本の画像補正、署名の電子化などを担当しました。翻訳は上司が行い、私はデジタルスキルを活かしてサポートしました。
また、着任前必須のUN E-learningコースの教材翻訳では課題にも直面しました。教材にはラオス語対応がなく、AI翻訳では不十分であり、業務多忙な上司が翻訳に時間を割けない状況であったためです。そこで、オンラインボランティアに翻訳を委託することを提案。採用担当者として、業務指示書作成、募集、採用、タスク指示、証明書発行までのプロセスを主導しました。さらに、教材準備の期限が2週間から1週間に短縮されるという新たな課題が発生しましたが、4名のオンラインボランティアと迅速にタスクを再配分し、無事に期日までに完成させることができました。
この経験を通じて、UNVの国連ボランティア・オンラインボランティア採用プロセスの実践的な理解を深めるとともに、限られた時間の中で課題に柔軟に対応する力が向上したと感じています。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

UNVラオスField Unitは、上司1名と私の2名体制で約70名の国連ボランティアをマネジメントしており、上司が多忙なため、自発的に業務を見つけて取り組む必要がありました。しかし、知識も経験も浅い学部生の私にとって、理想のアシスタント像とのギャップに苦しむ場面も多くありました。
そんな中、ラオス人国連ボランティアの募集が難航していることを知り、ローカルコミュニティへのアウトリーチ強化を提案。上司の承認を得て、UNVパートナー機関のイベントブースでの広報活動や、Information Sessionでのプレゼンテーションを担当しました。単独でのアウトリーチ活動は大きな挑戦でしたが、上司のサポートのもと準備を進め、ラオス日本人材開発センター(LJI):ラオス国立大学学生向けアウトリーチ、IOM Job Fair:UNブースでの広報活動、Singapore’s UTD Education Center訪問:Information SessionでのUNVプレゼンテーションの計3回、自らの裁量でアウトリーチ活動を実施することができました。
さらに、これらの活動をUNVラオスのFacebookで積極的に発信。その結果、派遣後4カ月でリーチ数が266.7%増(51.9K)、フォロワー数が187.3%増(+316人)となり、SNS運用面でも成果を出すことができました。
経験不足に悩みながらも、課題を見つけて提案し、実行に移すことで貢献できると学び、自信につながる経験となりました。

参加を考えている方へのメッセージ

ラオスでの5カ月間は、初の長期海外滞在、ひとり暮らし、フルタイム勤務、異文化での人間関係構築と、まるでフルマラソンのような挑戦の日々でした。しかし、この経験はかけがえのない財産です。それは、素晴らしい人々との出会いがあったからにほかなりません。
尊敬できるラオス人の上司や、日々気軽に会話できるようになった国連職員の方々、悩みに真剣に耳を傾けてくれた国連ボランティアの仲間たち。日本からも参加を迷っていた時期から派遣後まで、国際ボランティアプログラム担当教員をはじめとする教授陣や事務型からの温かいサポートを受け続けました。
このプログラムは、学部生でありながら国連の最前線で業務経験を積める貴重な唯一無二の機会です。ただし、その門は狭く、私自身も何度も応募をためらいました。しかし、教授や先輩方の後押しで挑戦を決意し、今では「踏み出してよかった」と心から思っています。
もしあなたに国連ユースボランティアに挑む意志があるのなら、ぜひ一歩を踏み出してください。迷いがあるなら、画面の向こうから私が背中を押します。あなたの挑戦を心から応援しています。

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《注》国連ユースボランティア派遣生のポジション名は、正式には「国連ユースボランティア」ではなく「国連大学生ボランティア」である。しかし、学内では「国連大学生ボランティア」という表記を使用していないため、国連ユースボランティア事業で派遣を行っている学生の事を「国連ユースボランティア派遣生」、他留学プログラムに合わせる形で国連ユースボランティア事業を「国連ユースボランティアプログラム」と表記する。
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お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。