参加者の声

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惹かれる好奇心、その先に開く国際協力への扉

古長谷 楓こながや かえで
  • 関西学院大学国際学部3年(派遣時)
  • 派遣先国:フィジー

国連ユースボランティアに参加した理由

私がUNYVを志望した本当に最初のきっかけは、当時の第一志望の大学に落ちてしまったことでした。高校二年生の頃に国際協力に関心を持ち始め、色々と模索するうちに、言語の面からその世界に入り、途上国支援に携わる道を目指そうと考えていました。しかし、不合格になってしまい、途方に暮れていたときに、関西学院大学の副専攻プログラムである国連・外交プログラムやこのUNYVのことを知ったことで、国際関係という側面から途上国支援への道を目指すようになり、現在の私がいます。ここで私が伝えたいことは、「きっかけはなんでもいい」ということです。そのときそのときの自分の決断が最善ですし、それを自分なりの正解にできるようにそのあと頑張ればどうにでもなるし、良い方向に転びます。
また、大学入学後に様々なプログラムや講義を受けてきた中で私がUNYVに挑戦しようと完全に心に決めたきっかけは、国連セミナーで聞いた「国連は諦めない人が働くところである」という言葉に感銘を受けたことです。この言葉は私の心に強く残り、UNで働く人々がどのように不安定な状況でも粘り強く、公正に問題に取り組んでいるのかを実際に経験したいと思いました。自分ができることを探し続け、最適な方法を見極め、諦めずに取り組む力を身につけることを目指して、このプログラムに挑戦しようと決意しました。

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イベント会場でのアンケート調査

参加するにあたりどのような準備をしたか

大学1年で「国連ユースボランティアに挑戦する」と決めてから、出願までの2年間、私は全て自分が「したい」と思う準備をしていました。情報収集や苦手だったネットワーキングにも積極的に挑戦し、叶えられることはすべて実行。「自分のことが好きでいられる状態で、自信を持って参加する」——それが私の目標でした。大学4年間の履修計画を立て、国連システムや開発について学ぶために「国連・外交プログラム」を副専攻。さらに、マレーシアでのフィールドワークに参加し、現地で多文化共生等について考える経験を積みました。しかし、途中で一度「自分には無理かもしれない」、そう思った時期もありました。そうして国際協力以外の分野にも目を向けてみましたが、どんなトピックも最終的に国際協力と結びつけてしまう自分に気がつき、そこで改めて目指すことを決意しました。準備としては大学の講義だけではなく、トライアンドエラーを繰り返して成長するためにファンドレージング活動に取り組み、サークルでは「議論する力」や「自分の考え方に向き合う力」を養うために国際課題に関する勉強会を開くことで自分と向き合う時間を確保してきました。これらの経験があったからこそ、実際の業務中に出来ることが限られた中でも積極的に活動ができたのだと感じています。

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UNV workshop

活動中で印象に残っていること

活動の中で最も印象に残っているのは、若者向けの性教育アプリ「YES app (Youth Education for Sexuality app)」の開発支援に携わったことです。このアプリは、フィジーの若者が性に関する正しい知識を得ることを目的としており、デジタル技術を活用した教育アプローチの一環として導入が進められていました。私は、アプリの改善に向けたデータ収集、分析、提案を担当しました。特に、若者のニーズを正確に反映させることが重要な課題でした。私はフィジーの若者が実際にどのような情報を求めているのかを明確にするため、フォーカスグループディスカッションとアンケート調査を4つのイベントで実施し、収集したデータを分析、ジェンダー・年齢層ごとに傾向を整理し、開発チームとMOYSへ提案を行いました。
このプロジェクトを通じて、私はデータに基づいた意思決定の重要性と、文化的背景を考慮したプロジェクト設計の難しさを実感しました。特に、性教育というセンシティブなテーマを扱う上で、どのように若者のニーズを取り入れながらも社会的な受容性を確保するかという点は、大きな学びとなりました。また、開発チームと政策担当者の間で、若者の声をどのように反映させるかの調整を行うことも難しく、現場での声が政策や製品の形に反映されるまでには、何度も議論を重ねる必要があることを知り、国際協力の現場では、データ収集だけでなく、関係者間の橋渡しをする力が不可欠であることを学びました。この経験は私に、若者の声を実際のプロジェクトに反映させることの難しさと、そこに挑戦する意義を強く感じさせるものとなったのです。

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活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

活動中の苦労として、私は「すべてを自分で解決すべきか」「頼れる人とのつながりを築くべきか」という葛藤を抱えていました。しかし、どちらも大切な力であることを実感したことで、自分の中でバランスを取れるようになりました。
まず、生活面では交渉力・適応力・決断力を鍛える機会が多くありました。滞在初日から多くの予想外の問題に直面したことは、ドキドキの連続でした。ですが、本当の初めは現地では「自分が一番頼れる人間」だったため、問題が起こるたびに声を上げ、交渉し、解決に動きました。五ヶ月間滞在できる住まいを確保する際も、大家さんへ片っ端から電話をかけ、内見に行き、契約内容に疑問があれば積極的に聞き、交渉を重ねました。こうした経験を通じて、「諦めないこと」「立ち向かうこと」「まず飛び込んでみること」の大切さを学び、以前は緊張すると委縮してしまうことがあった私も、今では臆せず行動できることが増えました。「自分でもこんなことができるんだ」と実感できたことは、大きな収穫です。
一方で、「人に頼ることの大切さ」も学びました。最初は、頼ることで迷惑をかけるのではないかと考え、できる限り自力で乗り越えようとしていました。しかし、どうしても解決できない場面に直面したとき、周囲の上司や同僚、友人が「頼らせ続ける」環境を作ってくれました。「困ったらいつでも言って」と何度も声をかけてもらえたことで、次第に遠慮せずに頼ることができるようになり、結果的にチームとしての業務にも前向きに取り組めるようになり、より積極性を持つことができました。自分を高めてくれる環境を見つけ出すという意味でも、以前よりは自信がつきました。

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国際人権の日マーチ

参加を考えている方へのメッセージ

「国連ユースボランティアは、自分にはハードルが高い」、そう思っていませんか?確かに、概要を見ると難しいイメージがもたれるかもしれないし、「他の挑戦者はもっと優秀で、経験豊富で、論理的思考力もあるから、自分には無理かもしれない」と感じることもあるかもしれません。実を言うと私はそう思っていましたし、一度諦めたこともあります。でも、もし周囲の人と比べてしまうなら、周囲から学び、吸収し、わからないことは聞き、難しいことは一度挑戦してみて、失敗したら「どうしたらいいかな?」と相談しても良いのです。その環境に飛び込める自分も素晴らしいのだから。また、このプログラムは、単なる活動ではなく、若者同士がつながる場でもあります。現場で他の若者が挑戦している姿を見て、自分も何かしたいと思えるようになるかもしれませんし、自分の言葉や行動が、誰かの希望や新たな目標につながるかもしれません。そんな好循環が生まれるのが、UNYVの醍醐味です。国際協力や国際機関、開発に関心がある方にとって、このプログラムは間違いなくおすすめできます。5ヶ月間、実際に現地で活動し共に過ごした方々とのつながりは、一生ものであり、今後のキャリアや生活でも活きてきます。
近年、国連機関でのインターンシップも修士が求められる場合が増えており、国連での経験を積むこと自体が難しくなっています。そんな中で、UNYVは学部生のうちに実際に国連のオフィスで働き、業務経験を積める貴重な機会です。 将来のキャリアを考える上でも、これほど大きな助けになる仕組みはなかなかありません。
だからこそ、少しでも興味があるなら、まずは話を聞いてみてください。不安でも、準備が完璧でなくても大丈夫。「面白そう」と思ったその一歩さえあれば後はどうにかなるものです。

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国連職員 フィジー 集合写真


お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。