参加者の声

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若者が若者に働きかける、世界の未来への挑戦

谷川 哲平たにかわ てっぺい
  • 明治学院大学国際学部 3年(派遣時)
  • 派遣先国:ベトナム

国連ユースボランティアに参加した理由

私がこのプログラムに参加したきっかけは、国際開発に対する自分の解像度を、より実践的かつリアルな環境で高めたいと感じたからです。大学では国際学部に所属し、貧困や環境、紛争などさまざまな地球規模の課題について学んできました。しかし、教室の中だけではどうしても現実味が薄く、問題を他人事として捉えてしまうことが多くありました。そうした思いから、大学2年の夏に友人とベトナムで行われた短期の海外ボランティアに参加しました。現地の農村部では、池の上に設置したトイレを使い、その排泄物を魚の餌にするという日本で生活している私たちからみれば衝撃的な生活習慣がありました。最初は「清潔なトイレを作ってあげればいい」と考えましたが、実際にはその方法を住民が積極的に選んで使っていることを知り、国際開発や支援の在り方について深く考えさせられました。この経験を機に、表面的な自分の常識に基づく解決ではなく、文化や背景を踏まえた持続的な支援の重要性を実感し、国際開発への関心が一層高まりました。その後も学生団体として大学内でフェアトレードコーヒーの販売活動や他大学とJICA主催の開発に関する講座に取り組み、最終的に現地で開発に直接関わることのできるUNYVへの参加を決意しました。

参加するにあたりどのような準備をしたか

UNYVへの挑戦に向けた準備として、まず大学の授業を通じて国際開発に関する基礎的な知識や背景理解を深めました。さらに他大学が行っている開発に関する講座に参加し同じ興味を持つ知り合いを作り情報を共有しあうことによって知識を深めていきました。また、学内ではフェアトレードのコーヒーを販売する学生団体に所属し、マーケティングのチームリーダーとして広報活動や販売戦略の立案・実施を担いました。そこでは、どのような方法で伝えれば人々の関心を引けるのか、どんな層にどんな言葉が届くのかを考えながら、SNSや対面でのイベントを通して情報発信を行いました。限られた時間と人員の中で協力者を集め、目標を共有しながらチームをまとめていく過程では、試行錯誤を重ねながらも実践的なマネジメントスキルやコミュニケーション力を培うことができました。現場でも活かせるような知識や実践できる経験を積み重ねたことがUNYVの選考過程での面接でも活きたと感じており、実際に派遣された後も、プロジェクトの広報や関係者との連携、現地での取り組みにおいて応用できていると強く実感しています。

活動中で印象に残っていること

UNYVとして活動する中で特に印象に残っているのは、自分の関心分野に基づいた提案が実際のプロジェクトとして採用され、現地で形にできた経験です。私はもともと教育分野の国際協力にも関心があり、派遣先でも若者向けの教育支援プロジェクトである”Movers programme”というプロジェクトに携わっていましたが、多くはオンライン形式で、直接若者と関わる機会が限られていました。そこで、対面でのMoversワークショップを現地大学で実施することを上司に提案したところ、UNDPの正式な活動の一環として認められました。私はこの取り組みの主導役として、現地大学と調整を重ね、実際に大学生と対面で交流できる場を作ることができました。企画から実施に至るまでには、大学側との要望のすり合わせやスケジュール調整など、想像以上に難しい点も多くありましたが、こまめに連絡を取り合い、信頼関係を築くことで実現に至りました。現地の大学でワークショップを行った際は、「楽しかった、ありがとう」と言ってくれる学生がいたり「私も国連で働いてこんなことをしてみたい」と言ってもらえたことで、やってよかったと心から思えました。自分が企画したことが現地で形となり、地元の学生たちと直接交流できたこの経験は、自分の中で大きな達成感と学びを得られた、特に印象深い活動です。

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現地大学でのワークショップ

活動中に苦労したこと・それをどのように乗り越えたか

苦労したことは二つあります。一つ目は、国連の現場で日常的に使われる英語の専門用語です。略語や業界特有の表現が多く、特にプロジェクト関連の会議では当然のように使われていたため、最初は会話の内容を理解するのに精一杯でした。たとえば「ToC(Theory of Change)」や「DRR(Disaster Risk Reduction)」などの用語が多く、意味を調べながら会議に参加することもしばしばありました。分からない言葉はその都度メモを取り、意味を確認したうえで、自分から積極的に使って覚えるようにしました。また、同僚との会話やメールでも意識的に使い、用語を実践的に定着させるよう努めました。二つ目は、印象に残っている活動でも述べた、現地大学と共催したワークショップでのコミュニケーションの難しさです。大学側と国連側それぞれに異なる要望や制約がある中で、どのようにすれば両者が納得する形で実現できるかに苦労しました。そこで私はまず、双方の立場や背景を丁寧に理解することを心がけました。加えて、誤解や行き違いを防ぐために要点を整理した資料を作成し、必要に応じてオンライン会議も設定しました。自ら橋渡し役となって積極的に動くことで信頼関係を築き、最終的にワークショップを無事に開催することができました。

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オフィスでのデスクワーク

参加を考えている方へのメッセージ

UNYVは自分の大学での関心や今後叶えたい夢、知りたかったことを一番早く手にする機会の一つです。「国連だから難しそう」とか「英語が話せるか心配」という気持ちは絶対にあるものです。私自身がそう考えていた一人です。というより参加を考えている人たちに何の心配もない人はほぼゼロです。でも実際に飛び込んでみると「完璧じゃなくても、自分なりに挑戦していいんだ」と思える瞬間がたくさんあります。自分だからできたこともたくさん経験し「ありがとう哲平」と言ってもらえる度にチームの一員として活躍できていると感じることもあります。大切なのは、何かを知りたい・やってみたいという気持ちを大事にすることで、自分から動けば、その気持ちに応えてくれる人たちが必ずいます。
悩んだら「やってみる」ことを選んでみてください。参加を決めた瞬間から成長しています。世界のどこかで自分と違った背景を持つ人と協力、またはその人たちの役に立ち、自分の目指す姿に一歩でも近づけるような経験ができることを応援しています!

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国際障がい者デーのイベント


お問い合わせ

国連ユースボランティアは大学ごとの募集となり、出願にあたっての諸条件や手続き等が異なります。
詳細につきましては、各大学のページをご確認のうえ、所属大学にお問い合わせください。

  • 関西学院大学
  • 明治大学
  • 明治学院大学
  • 立教大学
  • UN Volunteers

本プログラムは、関西学院大学とUNVの協定に基づく派遣です。